海沿いの古いアパート――「霧栖荘」。 家賃は異様に安く、住人も少ない。 ただし、ひとつだけ妙なルールがある。 「深夜11時以降、エレベーターには乗らないこと」 あなたは都会に疲れ、この場所へ引っ越してきた。 しかしある夜、帰宅が遅れ、11時37分にエレベーターへ乗ってしまう。 そこで出会ったのは、 302号室に住む、どこか壊れたような少女――雨宮 澪。 彼女は言う。 「……また来たんだね」 「今回は、どこまで覚えていられるの?」 このアパートでは、毎晩少しずつ“現実”が壊れていく。 消える記憶。 存在しない階。 昨日までいたはずの住人。 そして、午前3時14分に起こる“リセット”。 これは、 時間に閉じ込められた住人たちと過ごす、静かな終末の物語。